賃貸サイトの光ファイバー「対応」「完備」の違い|確認後にやることをわかりやすく解説

賃貸サイトを調べると、インターネットについて「光ファイバー対応」「光ファイバー完備」などと書かれています。

しかしインターネットに詳しくなければ、何を意味しているのかわからないと思います。

ぴかり
僕はネットワークの構築や修理をするエンジニアです。光回線についても詳しく知っています。

そこでこの記事では
・光ファイバーとはなにか?
・賃貸における「対応」「完備」の違い
・インターネット環境を確認したらやるべきこと
について解説します。

これを読めば検討している物件のネット環境が簡単にわかり、開通までの段取りが理解できます。

光ファイバーとは「光回線インターネットで使うケーブル」

光ファイバーとは、石英ガラスやプラスチックで作られた細長い線のこと。

光回線では、複数の光ファイバーを束ねた光ケーブルとして使っています。

このケーブルを光が通過することで通信が可能となります。光回線は他のネット回線の中でも最も通信速度が速い回線です。

集合住宅の賃貸物件における光ファイバー「対応」「完備」とは?

賃貸サイトで物件を調べていると
光ファイバー対応
光ファイバー完備
と表記されています。

これらの意味と違いについて解説します。

「光ファイバー対応」は共用部分まで回線が引き込まれている

「光ファイバー対応」とは、集合住宅の共用部分まで光ファイバーが引き込まれていることを意味します。

この場合は、自ら光回線契約をして屋内工事を行う必要があります。

ぴかり
屋内工事とは共用部から自分の部屋まで配線作業を行うことです。

自ら契約して費用も自身が負担するのが「光ファイバー対応」です。

「光ファイバー完備」は部屋まで回線が引き込まれている

「光ファイバー完備」とは部屋まで回線が引き込まれている状態です。

各部屋の回線工事とプロバイダーも管理会社や大家さんで契約済みなので、自身での契約は必要ありません。入居後すぐにネットが使えます。

「インターネット完備」はインターネット無料の場合もあれば、使用料が家賃に含まれている場合もあります。

いずれにしても格安でネットが使えるのですがデメリットもあります。それは建物によって非常にネットが遅いこと。

中には、動画を視聴することさえ困難なアパートもあります。当たり外れがあることを知っておきましょう。

以上が「光ファイバー対応」と「光ファイバー完備」の違いです。

光回線には2つのタイプと3種類の配線方式がある

光回線には2つの契約タイプと3種類の配線方式があります。

これを知っておけば、各建物の回線状況を把握するのに役立つのでぜひ知っておいてください。

光回線の2つのタイプ

光回線には「戸建て(ホーム)タイプ」と「マンションタイプ」の2タイプがあります。それぞれの違いは以下のとおりです。

戸建てタイプとマンションタイプの違い

メリット、デメリットをまとめました。

戸建てタイプ
メリット デメリット
自分だけの専用線なので回線が混雑しない マンションタイプより月額料金が1,000~1,500円高い
マンションタイプ
メリット デメリット
戸建てより月額料金が1,000~1,500円安い ・1本の光ファイバーを共有するため混雑することがある
・建物の配線方式によってネットが非常に遅い

賃貸アパートやマンションでもマンションタイプの設備がなければ戸建てタイプを契約します。

マンションタイプは共用部まで光ファイバーですが、共用部から各世帯までの配線は建物によって異なります。

マンションタイプにおける3種類の配線方式

共有部から各整体までの配線には3種類あります。それがこちら。

マンションタイプの配線方式
  • 光配線方式
  • VDSL方式
  • LAN配線方式

この3つのうち「LAN配線方式」「VDSL方式」の物件の場合は、ネットが遅くなる可能性がとても高いです。

配線方式 ケーブル 最大通信速度
光配線方式 光ファイバー 1Gbps
LAN配線方式 LANケーブル 100Mbps or 1Gbps
VDSL方式 電話線 100Mbps

「LAN配線方式」「VDSL方式」の最大通信速度は100Mbps。これは光配線方式と10倍の差です。

特に「インターネット完備」物件はLAN配線方式やVDSL方式が採用されていることが多いです。

一部の建物で最新設備のLAN配線方式が導入されていれば、最大通信速度1Gbpsの場合もあります。しかし数としては圧倒的に少ないです。

「LAN配線方式」「VDSL方式」ではネットが遅くなることを知っておきましょう。

配線方式の見分け方

以下の写真のように配線方式によって差込口は異なります。

関連記事:マンション・アパートでネットが遅くなる理由と対処法

賃貸サイトでの光ファイバー表記には嘘がある?

賃貸サイトでは「対応」や「完備」以外にも「光ファイバー」「高速インターネット」とだけ記載されているケースもあります。

「高速インターネット」という言葉を信じると、望んでたものと違う結果になるかもしれないので注意してください。

賃貸サイトで配線方式までは確認できない

賃貸サイトでは、配線方式まで確認することはできません

そのため「高速インターネット」と表記されててもLAN配線方式やVDSL方式なこともあります

もしLAN配線方式やVDSL方式だった場合は、最高速度100Mbpsなので高画質動画の視聴やオンラインゲームは厳しいです。

特に夜間や休日など利用者が多い時間帯では、ネット検索すら遅いこともあります。

ぴかりの実体験

ぴかりのお客さんで、とある会社の事務員さんが育児との両立のためテレワークをすることになりました。

事前に「家のネットが遅い」と聞いていたため、環境調査でご自宅へ訪問したところLAN配線方式のアパートでした。また世帯数も多く、夜や休日はまったく使い物にならないとのこと。

幸いパソコンを使うのは日中だったので、最低限の通信速度はありました。それでも遅いときは会社スマホのテザリングを使うなど別の回避策も用意することで対応しました。

配線方式を確認する方法

どの配線方式が使われているかは、各光回線のWebサイトで確認できます

「光ファイバー対応」「光ファイバー完備」で導入されているのは、圧倒的にNTT東日本/西日本が提供するフレッツ光です。

続いて多いのがauひかり。各光回線のWebサイトを以下の表にまとめました。

※右にスクロールできます。
光回線(提供エリア) 提供エリア確認ページ
東日本フレッツ光
※光コラボ含む(全国)
https://flets.com/app2/cao/prefselect/index/
西日本フレッツ光
※光コラボ含む(全国)
https://flets-w.com/cart/
※「かんたん検索」から確認
auひかり
(東海,近畿,沖縄を除く全国)
https://bb-application.au.kddi.com/auhikari/zipcode
NURO光
(北海道,東京,神奈川,埼玉,千葉
茨城,栃木,群馬,愛知,静岡,岐阜
三重,大阪,兵庫,京都,奈良,広島
岡山,福岡,佐賀)
https://www.nuro.jp/lp/area/
コミュファ光(中部地方) https://www.commufa.jp/application/
eo光(関西地方) https://eonet.jp/order/area.html
メガエッグ(中国地方) https://www.megaegg.jp/area_check/article_check.html
Pikara(四国地方) https://support.pikara.jp/faq/faq_a/entry-569.html
BBIQ(九州地方) https://www.bbiq.jp/hikari/simulation/

プランごとの最大通信速度は、以下のとおりです。まずはフレッツ光。

NTT東日本 NTT西日本 最大通信速度
ギガラインタイプ
(光配線)
スーパーハイスピード隼
(光配線)
1Gbps
ハイスピードタイプ
(光配線)
ハイスピードタイプ
(光配線)
200Mbps
マンションタイプ
(光配線・VDSL・LAN)
マンションタイプ
(光配線・VDSL・LAN)
100Mbps

auひかりのプランごとの最大通信速度は以下のとおり。

回線プラン 配線方式 最大通信速度
タイプV
都市機構
VDSL方式 100Mbps
タイプG
都市機構G
G.fast
(VDSL方式の進化版)
664Mbps
タイプE LAN配線方式 100Mbps
タイプF 光配線方式 100Mbps
ギガ
ミニギガ
光配線方式 1Gbps

賃貸サイトで気になる物件を見つけたら、事前に配線方式を確認しておくのが得策です。

光配線方式でなかったら「戸建てタイプ」がおすすめ

VDSL方式やLAN配線方式だった場合は速度が遅いので、戸建てタイプを契約するのがおすすめ

戸建てタイプであれば最大速度1Gbpsかつ自分だけの専用線として使えるため、快適にネットが使えます。

ただし戸建てタイプを利用するには回線工事が必要。工事を行うには管理会社や大家さんの許可が必要です。

基本的には許可が下りるはずですが、建物によっては許可が下りないこともあります。

許可がもらえない理由として最も多いのは、管理会社や大家さんが回線工事で光ファイバーを通すときに壁に穴を開けられるのを嫌うからです。

その場合は、エアコンダクトから通すなど穴を開けない方法もあります。

詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。

>>光回線工事の許可が必要なケースと許可の取り方

「光ファイバー対応」の賃貸だった場合にやるべき3つのステップ

「光ファイバー対応」の場合は、すでに共用部まで光ファイバーが引き込みが完了しています。

そのため管理会社や大家さんも承知済みなので、許可が下りないことはありません。ただし共用部から部屋まで配線を行うときに、工事業者が共用部の設備に入ることがあります。

その際、設備の鍵を開ける必要があるため、管理会社や大家さんへの連絡しなきゃいけないかもしれないことを覚えておきましょう。

ぴかり
詳しくは契約先の光回線業者から連絡があるはずなので安心してください。

「光ファイバー対応」の賃貸の場合にやるべきことは3つです。

順番に解説します。

①契約する光回線を決める

まずは契約する光回線を決めます

「光ファイバー対応」の場合は、すでに建物の共用部まで光回線が引き込まれています。その光回線は4種類のうちどれかに該当します。

  • フレッツ光
  • auひかり
  • NURO光
  • 電力系光回線(コミュファ光、eo光、メガエッグ、Pikara、BBIQ)
ぴかり
ほとんどの場合は最もシェアの高いフレッツ光が引き込まれています。次に多いのがauひかりです。

そしてフレッツ光には「光コラボレーション」という仕組みがあり、ドコモ光やソフトバンク光など数多くの光回線サービスの中から選択できます。

光コラボ」とは?

光コラボとは、NTT東日本、西日本が提供するフレッツ光をほかの企業でも販売できるよう卸売をしたモデルのこと

携帯キャリア会社やプロバイダー会社を中心に多くの企業が参入。スマホセット割やキャッシュバックなど、独自サービスをプラスして販売しています。

代表的な光コラボサービス

ドコモ光、ソフトバンク光、楽天ひかり、ビッグローブ光、@nifty光、OCN光、So-net光プラスなど

つまり、光回線はたくさん種類があるように見えてほとんどが光コラボです。特典やサービスが充実しているため、フレッツ光を直接申し込むより断然おトクになっています。

詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

>>光コラボの仕組みとは?メリット、デメリットを解説

 

フレッツ光だったときのおすすめ光コラボ5社

フレッツ光だったときは、数多くの光回線の中から選ぶことになります。

中でもおすすめは以下の5社。お持ちのスマホキャリアに合わせて選びましょう。セット割引が適用でき、スマホの月額料金が安くなります。

スマホキャリア おすすめ光回線
【クリックで詳細内容を確認】
ドコモ ドコモ光
au
UQモバイル
ビッグローブ光
ソフトバンク
Y!mobile
ソフトバンク光
格安スマホの方 GMOとくとくBB光 
・短期利用したい(2年以内)
・いつ解約しても違約金0円
エキサイトMEC光
光回線

ドコモ光

ソフトバンク光

ビッグローブ光

GMOとくとくBB光

エキサイトMEC光
おすすめ
窓口
NNコミュニケーションズ エヌズカンパニー NNコミュニケーションズ GMOとくとくBB光 エキサイトMEC光
月額料金
【戸建て】
2年契約:5,720円 2年契約:5,720円 2年契約:5,698円
3年契約:5478円
4,818円
(縛りなし)
※1
4,950円
(縛りなし)
月額料金
【マンション】
2年契約:4,400円 2年契約:4,180円 2年契約4,488円
3年契約:4,378円
3,773円
(縛りなし)
※1
3,850円
(縛りなし)
解約違約金
戸建て:14,300円
マンション:8,800円
10,450円 3年契約:11,900円
2年契約:9,500円
なし なし
スマホセット割
※1台につき
【ドコモ】
最大1,100円/月
(最大20回線)
【ソフトバンク】
最大1,100円/月
【Y!mobile】
最大1,188円/月
(最大10回線)
※2
【au】
最大1,100円/月
【UQモバイル】
最大858円/月
(最大10回線)
※3
なし なし
初期手数料
3,300円 3,300円 3,300円 3,300円 1,100円
キャンペーン無料
キャッシュバック
【新規】
①42,000円
②dポイント2,000pt
①選べる特典
特典A:37,000円
特典B:32,000円+Wi-Fiルーター
②他社解約違約全額負担
選べる特典
A:30,000円
B:25,000円+Wi-Fiルーター
(光電話申込みで4,000円増額)
①高性能Wi-Fiルーター
無料レンタル
②他社解約違約金
2万円キャッシュバック
①月額基本料割引
戸建て:517円×12ヶ月
マンション:489円×12ヶ月
②選べる特典
・開通手続料3,300円無料
・Wi-Fiルータープレゼント
Wi-Fiルーター
申込み時のプロバイダー
をビッグローブにすれば
無料レンタル
550円/月のオプション加入 なし 永年無料レンタル なし
申込み

※1:工事を実施した場合、36ヶ月以内の解約は工事費残債の請求あり
※2:「光BBユニットレンタル」「Wi-Fiマルチパック」「電話サービス」計3つのオプション(計550円/月)が必須
※3:光電話550/月が必須

申込が完了すれば、送付されたルーターなどの機器を接続すれば完了です。おすすめの光回線は工事費無料。そのため初期費用は、事務手数料の3,300円程度しかかかりません。

フレッツ光以外が「光ファイバー対応」だった場合は、光コラボのような仕組みはないのでそのまま契約してください。

②特典が豊富な窓口から申し込む

契約する光回線が決まったら続いては申込みです。

実は光回線を販売しているのは、各光回線を提供する大元の会社だけではありません。そこには多くの代理店が窓口となって販売しています

代理店によってキャッシュバックや割引など様々な特典があり、大元から申し込むよりおトクになるケースもあります。

先ほども紹介した、おすすめ光コラボ5社のおすすめ窓口は以下の会社になります。

  おすすめ窓口
【クリックで詳細ページへ】
ドコモ光 NNコミュニケーションズ
ソフトバンク光 エヌズカンパニー
ビッグローブ光 NNコミュニケーションズ
GMOとくとくBB光 公式
エキサイトMEC光 公式

各代理店との特典比較は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

>>【15社徹底比較】おすすめ光コラボ5選

残りのauひかり、NURO光、電力系光回線5社のおすすめ窓口は以下のとおりです。

  おすすめ窓口
【クリックで詳細ページへ】
auひかり NNコミュニケーションズ
NURO光 公式
コミュファ光 NNコミュニケーションズ
eo光 eo光(公式)
メガエッグ NEXT
Pikara NEXT
BBIQ NEXT

こちらの各代理店特典比較も、以下の記事で解説しているので参考にしてください。

>>auひかり、NURO光の詳細を見る
(ページを開いて目次からauひかり、NURO光をクリックしてください)

>>電力系光回線5社の詳細を見る

③光回線工事をする

申込みが完了したら、光回線工事を行います。

工事の時間は30分〜1時間程度。ただし工事中にトラブルがあれば、長引くこともあります。なるべく余裕を持って時間を空けておきましょう。

光回線工事に関する詳しい内容を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

>>光回線工事をわかりやすく解説

以上が「光ファイバー対応」の場合にやるべき3つのステップでした。

まとめ

光ファイバー対応、完備の違いや光回線状況の調べ方について解説しました。

今回は以上です。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)